沖縄県宮古島の設計事務所アトリエラインです。

宮古島の一級建築士事務所 Atelier Line アトリエライン

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ちょっと休憩

緊急告知!!

皆さんご無沙汰しております。

内地の方でも有名な宮古島バブルの影響でなかなか更新できませんでした。

突然ですが、明日3月12日21時からBSテレビ東京の突撃隣のスゴイ家に出演させて頂きます。お時間がある方は是非見て下さいね。

道具

プチ模様替え






事務所の模様替えをしました!今までは、パソコン用と打ち合わせ用の2台のテーブルを置いていましたが、大きくて存在感のあるテーブルが欲しい!と常々思っていました。
事務所兼自宅を建ててから4年半の間、家具店をめぐったり、様々な建築資材で作ることを画策したりしていましたが、なかなかこれ!というものにめぐり逢わないまま時が経ってしまいました。

そんなある日。

東京で鉄板の表面を加工して扉や家具などを制作している業者さんのカタログを見てこれだ!と、一目惚れ。
既製品大きさは900x2,400m/mしかなく、もう少し大きいものが欲しかったので一旦は諦めたものの・・・

再度、あちらこちらを探しましたが、なかなか気に入った物がありません。
もう一度、カタログを見るとやはり諦めきれない・・・ということで、業者さんに1,000x3,000m/mの大きさで特注ができるかと確認ところ、あっさりとできるとの返事が。(もっと早く連絡すれば良かったですね。)

天板の重さがなんと75kg!!大きさと重さが災いして、普通の運送業者さんでの搬入は不可能とのことで、急きょ鉄骨の加工・組立作業でお世話になっている業者さんにお願いし、ユニック車(荷台にクレーンが付いているトラック)で2階まで運び上げ、4人がかりで搬入してもらいました。

いざ事務所に置いてみると、1,000x3,000と言った圧倒的なサイズは存在感抜群!

細い4本の脚に3.2m/mの天板の薄さが相まって、スチールの重さを感じさせない浮遊感のあるビジュアルに惚れ惚れしてしまいます。
天板の表面の風合いもイメージ通りに仕上がり感動してしまいました。

このテーブルにはこれからずっとお世話になります。身が引き締まるような思いで仕事に臨みます!
 


仕事

S.J邸新築工事 地鎮祭

地鎮祭1
地鎮祭2



去る1月11日。以前仕事でご一緒した設備担当の方よりご紹介いただいた、S.J邸新築工事の地鎮祭が執り行われました。

振り返ると、平成28年の12月よりスタートしたこの計画。計画自体は早くまとまったものの、慢性的な人手不足の煽りを受け、予算調整に多くの時間を費やしました。業者が決定した後も、順番が来るのをひたすら待ち、ようやくの着工にこぎつけたわけです。
約一年かかりましたが、振り返るとあっという間にも感じられる一年でした。

この家がS.J様ご家族に、安心安全な心安らぐ場として可愛がってもらえることをお祈りしての地鎮祭です。

地鎮祭終了後は、お祝いです。
当日は最高気温14.4℃最低気温12.7℃といった、この冬一、二を争う寒い一日でした。電気ストーブを焚きながらのお祝いは初めての経験。いつもなら氷の入った冷たいオトーリが廻るのですが、あまりの寒さに常温でのオトーリとなりました。お湯割りのオトーリでも良かったくらいの冷え込みです。宮古島でもこのような日があるのですね。

さあ、未着工の現場はあと1箇所!一刻も早い着工を目指してがんばりましょう!!

一刻も早い宮古島の建設ラッシュが終わってくれることを望む毎日です。



ちょっと休憩仕事

2日連続!!

宮古島での竣工祝い

10月13日にT邸新築工事の完成お披露目のお祝いが行われました!

9月15日に竣工引渡しを終え、早一カ月ぶりに伺ったT邸は、家具も入り、生活をしている空気が感じられて”建物”から”家”になっていました。T家一家4人の思い出があふれる家になってほしいと思います。

広めに取ったLDKから繋がりを持たせた和室まで、溢れんばかりの人がお祝いに駆け付け、大盛況でした。

建主様は多くのお客様の対応に追われており、あまり話せなかったのですが、建主様夫婦のお父様の横に座らせて頂き、喜び及び感謝の声を頂戴し、感無量です。1時間位でおいとましようと思っていましたが、気付けば4時間(!)ほど。長居させていただきました。


宮古島でのコンクリート打設祝い1
宮古島でのコンクリート打設祝い2


さて、日付が変わった10月14日。
Y邸新築工事の1階躯体(スラブ)コンクリートを打設しました。

朝、起きるとまず天気予報をチェック。雨の心配は少なそうなので打設決行を判断。朝から親戚の皆様がお祝いの準備に集まり、土曜日であることも相まって子供や男衆も来ていて、作業する人よりもギャラリーの方が多いコンクリート打設となりました。

足場の上にいると、下から中身汁のいい香りが漂い、加えて泡盛の香りもしてきて、皆コンクリート打設に集中できないのではないかとハラハラしましたが、逆に集中したらしく(?)、予定時間より早く打設も終了!! お祝いに突入です!

ご親戚の皆様や建主様の同僚の皆様から、いい家を作って下さいとのお言葉を頂いて、これからも更に気を引き締めて監理をしていこうと心に誓いました。こちらも3時間弱(!)長居させて頂きました。

その後は、内地から遊びに来ている友人達と我が家でバーベキューです。友人とは10年ほど会っていなかったので、昔話に花を咲かせました。

2日続けてのお祝いとバーベキューで、1週間分のお酒を飲んだ気分です。暫くは大人しく生活していきたいと思います。





ちょっと休憩

伊良部島の宿1周年記念a
伊良部島の宿1周年記念b


伊良部島のカフェ兼宿の「カフェ&宿COMO(コモ)」さんのオープン1周年記念パーティーに声をかけていただきました。

伊良部島でも人気のエリアに設計を担当させていただき、完成からもう一年…時が経つのは本当に早いですね。

千葉で人気のフレンチレストランのオーナーでもある「カフェ&宿COMO(コモ)」オーナー栗崎さんの作るお弁当に舌鼓をうちながら、夕方からパーティーは始まりました。

暗くなるころには屋外に設営された大型スクリーンで、「カフェ&宿COMO(コモ)」をドローンで撮影した映像を鑑賞。

絶景のロケーションに佇む建物を、まるで鳥のような視点で見た映像は、CMのよう。息をのむ美しさもさることながら、自分が設計させていただいた建物がその空間の海、空、植物と一体となって、いまここに存在するといった現実に胸がいっぱいになりました。

その後、パーティー会場は漆黒の闇を縦横無尽に駆ける炎で幻想的な雰囲気に包まれます。ファイヤーダンス。宮古島のパフォーマーによるもので、初めて見ましたが、あまりの迫力に圧倒されてしまいました。

ビールの酔いも手伝って、どちらも夢見心地の時間。

時が経つにつれて人が集まり、最後にはたくさんの人が集まっていました。オーナーの栗崎さんの人柄ですね。

そういえば…ふと、私自身は、この1年何をしていたか思い起こすと、アメリカとフランスに建物を見に行っり、実家のある大阪に数回通ったりしたこと以外はあまり記憶にありません・・・。日々の業務に夢中であっという間だったということですね。
楽しい時間は短く感じるといいますが、ものを創りだす苦しみも、チームワークのだいご味も、だれかを喜ばせるというやりがいも、全て楽しかったということに思い至り、幸せをかみしめています。

「カフェ&宿COMO(コモ)」の発展と、皆様の健康を祈って、オトーリを回させていただきたく…なりますね?

仕事

Y邸新築工事 地鎮祭




先日、Y邸新築工事の地鎮祭が執り行われました。

これまでに、神社・お寺・ユタさん等の様々な地鎮祭を経験してきましたが、今回は初めてのシンプルな地鎮祭でした。

地鎮祭というと、祭壇やお供え物などの段取りで1時間くらいに集合するのですが、今回は祈祷や、祭壇、お供え物もないため午前10時に集合してすぐに開始しました。






敷地の四隅に建設会社の社長が木杭を打ち込んで廻り、その後に建主様がお酒を撒いて廻り、最後に建主様のお母様がお米を撒いて廻ります。

本当にシンプルな地鎮祭でした。

がしかし、お祝いの気合の入り方は凄かった!最近はお祝いの席を設けなかったり、少人数で集まったりする場合が多いのですが、今回のお祝いは盛大でした。

7月1日より工事を始めて無事故無災害で、竣工を目指していきたいと思います! 

仕事

S邸新築工事 地鎮祭

宮古島の地鎮祭a
宮古島の地鎮祭b


早いもので、4月も後半に入りましたね。20日にはS邸新築工事の地鎮祭が執り行われました。

お客様のS様は、以前店舗を新築したお客様のご紹介で声を掛けて頂きました。人と人のつながりに感謝します。

今回のS邸新築工事の地鎮祭は、建築業者はまだ未定ながら、お客様の日数(ひかず・宮古島では人によって地鎮祭やコンクリート打設工事を行うのに適した日が異なるという考え方があります)が一番いいということで4月20日に決まりました。

建築業者が未定にもかかわらず、地鎮祭ができたのも、ひとえにお客様と電気設備・水道設備工事の業者さんのご協力のお陰です。

少し前までは、地鎮祭の後にはお祝いの席となる場合が多かったのですが、最近はあまり昼間からお酒を飲むことは少なくなってきています。助かります。ということで、お茶とお弁当とお客様のお母様手作りの牛汁を頂きました。



宮古島の地鎮祭d


そしてお土産は、オバーの手作りのフキャギ。フキャギは小豆でコーティング?したお餅です。何か行事がある際によく頂きます。甘くも無く、辛くも無く、小豆の香り高い、なんとも言えない触感がとても美味しいですよ!!

家に持ち帰り、妻とひとつづつ頂きました。


建物


昨年10月のアメリカ東海岸の建築視察ツアーの興奮冷めやらぬまま、3月1日から3月9日までのル・コルビュジェの建築を訪ねる旅に参加しました。

前回の旅行で近代建築の三大巨匠と言われるミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸、フランク・ロイド・ライトの落水荘を見て、どうしてもル・コルビュジェのサヴォア邸を見たくなってしまったというわけです。

昨年の7月17日にル・コルビュジェの建築群が世界遺産に登録、7か国17の建物が世界遺産に登録されました。ツアーは、そのうち3か国9つの建物をめぐるといったお得感満載のツアーでした。

実は一昨年、沖縄県建築士会主催のル・コルビュジェの建築巡りのツアーに参加する予定でしたが、出発の一週間前に発生した、同時多発テロの影響を受けて、泣く泣く取りやめたことが今回の旅行参加の後押しになったと思います。



ル・コルビュジェの建築a


出発の前日に東京へ向かい、日本で唯一世界遺産登録された、国立西洋博物館に行ってきました。出発前の予習といったところでしょうか。

国立西洋美術館は、上野公園の敷地内にあります。
第二次世界大戦後、敵国の資産としてフランス政府に差し押さえられていた松方コレクションが、日本に返還される際に建設された美術館です。

ル・コルビュジェが基本設計を行い、実施設計は日本の坂倉準三・前川國男・吉坂隆正が行いました。いたるところにル・コルビュジェらしさが出ていて、特に光の演出には心を奪われました。



ル・コルビュジェの建築b


前庭からピロティを通って建物中心の19世紀ホールに入ると、そこは3層吹抜けの広い空間になっています。このなんとも言えない光の空間が美しく、しばし呆然と見入ってしまいました。



ル・コルビュジェの建築c


建物断面模型です。中央の三角屋根の下が19世紀ホールです。展示室は2階にあり、19世紀ホールの周囲を回るように配置されています。
三角屋根の両サイドに飛び出したところは照明ギャラリー。照明ギャラリーは天井から入ってくる自然光と投光器を使った人工光によって、展示室の明るさを調整する設備室です。ちなみに現在は蛍光灯で照らされているそうです。



ル・コルビュジェの建築d


写真中央の上部が照明ギャラリーです。壁は柱から離れた位置に配置され、巻貝が成長するように、将来拡張が必要となった際には外側へ、外側へと建物を継ぎ足していける構造になっています。結局増築はされていませんが。



ル・コルビュジェの建築f


ル・コルビュジェが提唱した近代建築の5つの要点の一つピロティ(建物を柱で持ち上げて地上部分にできる吹抜けの空間。沖縄の建物もピロティ住宅が多いですね。)がよくわかる写真です。現在は増築され(ガラスの建具の位置を変えただけ)ピロティ空間がかなり減っています。

仕事

躯体コンクリート打設1
躯体コンクリート打設2


早いものでもう4月になりました。もう1年の1/4が終わってしまいましたね。

さて、3月30日はT邸躯体コンクリートを打設しました。

2月13日に地鎮祭を執り行ってから約1か月半での躯体コンクリート打設です。振り返ってみると、この人手不足の宮古島で、T邸新築工事は運よく驚異的なペースでここまでこぎつけることができました。これも、ひとえに西里建設をはじめとする施工業者の皆さんのお陰です。

お昼過ぎに帰路に就くと、いつもはほとんど人通りのない道に多くの駐車車両が。そういえば、今年の3月30日は旧暦の3月3日。サニツの日でした。サニツとは宮古島の風習で1年で一番潮が引く大潮の日に女性が浜に下りて、手足を水につけて一年間無病息災を祈願する日。

帰宅後、奥さんと愛犬ミースと一緒に家族全員で家の前の砂浜に行ってきました。


躯体コンクリート打設2

建物

イェール大学建築芸術学部棟1


イェール大学建築芸術学部棟です。 ポール・ルドルフの作品です。写真では少々解りにくいのですが、コンクリートの表面をザラザラの風合いにしたファサードを持つ建物です。



イェール大学ベクトン土木・応用科学センター1


イェール大学のベクトン土木・応用科学センターです。 マルセル・ブロイヤーの作品です。道路側は窓付きの全く同じパネルが並んでいるファサードです。



イェール大学ベクトン土木・応用科学センター2


同じくベクトン土木・応用科学センターです。裏側のファサードは、大きさと方向の違う窓無のパネルを並べていて、光が当たると影の見え方が変わるといった演出が施されています。



イェール大学の精神分析研究所


イェール大学の精神分析研究所です。 フランク・O・ゲーリィの作品です。



イェール大学ボイヤー分子医学センター


ボイヤー分子医学センターです。 シーザー・ペリの作品です。



イェール大学建築芸術学部棟6


最後は、イェール大学とは関係ないのですが、ナイツ・オブ・コロンバス本部 ケビン・ローチの作品です。四隅の円筒は、内部に階段・トイレ・機械のシャフトスペースを組み込みながら柱の役割も兼ねています。このコルテン鋼の風合いいですね。ホレボレします!!

建物


イェール大学のバインネンック稀少本図書館です。SOM(Skidmore, Owings & Merrill スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル)の作品です。SOMは1936年にシカゴで創設されたアメリカ最大級の設計事務所です。



イェール大学のバインネンック稀少本図書館1


この特徴的なファサードは、凹凸のあるフレームの中に、大理石を薄くスライスした板を嵌めこんでいます。高さ:奥行:幅の構成比は、1:2:3 になっており、非常にバランスのとれた美しい建物です。



イェール大学のバインネンック稀少本図書館2


コーナーの部分です。フレーム自体も石のような風合いですね。この凹凸、かなり好きです。



イェール大学のバインネンック稀少本図書館3


4隅の支柱により、外壁の1階部分は浮かせてあります。

この建物。外観はただの白い箱のように見えますが、内部を見てみましょう。



イェール大学のバインネンック稀少本図書館4


奥の階段の正面に琥珀色の部分がありますが、これは薄くスライスした大理石です。同じ模様は一枚もない大理石は非常に薄く、時間の経過による光の方向や強さのうつりかわりで壁の表情が刻一刻と変化していきます。また、内部は照明でライトアップされ、ガラスショールームのような書架(ブロンズ色の部分)が並んでいます。

内部の写真があればもっとよかったのですが、見学当日は日曜日であった為、泣く泣く外からの見学となりました。



イェール大学のバインネンック稀少本図書館5
イェール大学のバインネンック稀少本図書館6


建物前にはイサム・ノグチが設計したサンクンガーデン(地下広場)がありました。

建物


エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮です。作者は3つ前の記事でご紹介した、インガルスホッケーリンクと同じエーロ・サーリネンです。



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮1


交差点から見た写真です。建物までにかなり広い芝生の前庭があり、気持ち良い贅沢な空間ですね。広々とした前庭を囲むように建物が円形状に配置されています。



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮2


別角度からの写真です。緑がたくさんあって本当に癒される空間でした!



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮3


建物は淡い灰褐色を基調にし、その中に天然石を埋め込んだ不思議な雰囲気のファサードです。他のツアーメンバーとどのように施工をしたか話し合っていました。このような時間も楽しみのひとつですね!



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮4


建物群の中に入ってみると、広々とした中庭が広がっていて、前庭に負けないくらいの気持ちの良い空間が。いたるところに花壇が配され、その縁がベンチ代わりになるように設計されています。



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮5


建物の間の通路は、イタリアのバロックの古い街に迷い込んだような感じにさせる佇まいです。この階段の高さや場所、花壇の位置が絶妙ですね。



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮6


色々な装飾が施されています。これは照明を隠すための装飾。



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮7


これはガーゴイル(樋)でしょうか?



エズラ・スタイルズ&サムエル・モース学寮8


これは・・・何でしょうか?ただの装飾だと思います。足をぶつけたらかなりいたそうですね。

建物


続いては、イェール大学英国美術研究センターです。作者はやはりルイス・カーン。



イェール大学英国美術研究センター1


建物は前回の記事でご紹介したイェール大学アート・センターと道を挟んだ、真向かいにあります。アートセンターが増築であることと周囲への配慮から控えめなファサードにしたのに対し、こちらの英国美術研究センターはかなり凝った造りになっています。
細めのコンクリート打放しのフレームにグレーの艶消しのステンレスのパネルを嵌めこみ、形も大きさも違う窓を配置することで、均質なグリッドにリズムを加えています。

アート・センター竣工から20年の歳月の間にイェール大学敷地内に様々な建築が増えたことと、アート・センターのように増築ではないことからか、解放されたように自由に、同じ作者とは思えないくらい印象の異なる建物になっていました。



イェール大学英国美術研究センター2


内部は2つのライトコートをメインとして、その周囲に展示室が配置されています。エントランスを入ってすぐにあるライトコートは、4階分の吹抜けになっており、もう一つのコートは3階分の吹抜けとなっています。写真は後者で、写真中央のガードマンが立っている円柱形は、中に階段が配置されています。



イェール大学英国美術研究センター3


屋根はガラス張り。自然光がふんだんに降り注ぎ、明るく気持ちの良い空間を作り出しています。このガラスは、写真の様に透明のガラスと不透明のガラスがミックスされていました。光線に演出を施しているのでしょうか。



イェール大学英国美術研究センター4


吹抜け部分は上の写真のように彫刻が展示されています。

さて、この彫刻の足元にあるゴミ袋。写真を撮るのに移動させても良いかと確認したところ、これもアートだからダメだと笑顔での返事でした。はてさてその意図するところは・・・?



イェール大学英国美術研究センター5


さて恒例の階段チェックです。

円筒形の天井は、ガラスブロックでした。吹き抜けの屋根もガラスだったので、非常に明るい階段となっています。前回の記事でご紹介したアート・センターが、側面からの光を取り入れるように計画されていたのと対照的ですね。



イェール大学英国美術研究センター6


今回は四角形の階段ですね。階段の吹抜から上部にガラスブロックが見えています。ここでもまたアート・センターは間接的に光を取り入れていたのに対し、こちらでは直接的光を取り入れています。余談ですが、アート・センター同様、照明がない方がもっと光がきれいに見えたのではないかと思います。少々残念です。

建物


続いてはイェール大学のアート・ギャラリー、ルイス・カーンの作品です。

この建物は、いわば大学の私設美術館です。にもかかわらず、部外者でも無料で入場できます。

アメリカの美術館の数は約2,100箇所(対して日本は約400箇所)だそうです。また、MoMAなどは金曜日の夕方は無料開放されるといったことからも、美術館は特別な場所ではなくとても身近な空間だということがわかります。



イェール大学のアート・ギャラリー1


アート・ギャラリーは、イェール大学のオールドキャンパスの一角に既存の建物を増築して作られました。向かって右の装飾が施されている部分からがオールドキャンパスの建物です。

この建物はイェール大学で初めての近代建築で、カーンは周囲の街並みと連続性を持たせるために、この面のファサードは石積みに水平のボーダーを配してシンプルな作りにしたそうです。



イェール大学のアート・ギャラリー2


オールドキャンパスの建物です。かなり時代を感じさせますね。他にもこの様な古い建物が現存していて、実際に使用されていました。



イェール大学のアート・ギャラリー3


西面のファサードです。後の記事で触れますがこの建物は、ポール・ルドルフ設計のイェール大学建築芸術学部と向かい合っています。ルドルフ設計の建築芸術学部のファサードは派手で目立ちますが、私はこの、簡単な言い方をすると”地味なただの四角形”のファサードが好きです。



イェール大学のアート・ギャラリー4


内部に入って天井を見上げると三角、三角、三角ですね!通常、スラブを支持する為に小梁を入れますが、カーンはこの三角錐の空間で支持させています。そして、この三角錐の空間に照明や設備配管を入れることで、天井を貼ることなくスッキリと仕上げています。



イェール大学のアート・ギャラリー5


グッゲンハイム美術館以来階段フェチになった私は階段のチェックに向かいました。階段はコンクリート打放しの円柱形の中に設置され、円柱形の屋根の下にここでも三角形のスラブを配置しています。円柱形の最上部の壁はガラスブロックです。円柱形の壁と三角形の隙間からガラスブロックを通して見る光がとても綺麗でした。




イェール大学のアート・ギャラリー6

階段を見上げていますが階段の三角形の隙間と屋根の下の三角形のスラブが同じ方向なので、ガラスブロックの光は見えないデザインになっています。面白いですね!

建物


視察最終日は、ニューヨーク近郊のニューヘブンにあるイェール大学のキャンパスへ向かいました。

イェール大学の構内には有名な建築家の作品が多く存在します。建築家が思い思いの建物を作るのですが、キャンパス内は不思議と調和が取れています。



イェール大学ホッケーリンク1


イェール大学のデイヴィッド・インガルス・ホッケーリンクです。作者はエーロ サーリネンです。ダイナミック且つ独創的な形をしていますね。まるで魚のエイの様です。このアーチのラインと、そこから吊られた屋根のラインのバランスが絶妙で、とても美しい建物です。




イェール大学ホッケーリンク2


内部を見てみます。建物の中央を貫く1本のアーチから、建物外周部のコンクリートにケーブルを渡し、その上に屋根を掛けています。かの丹下健三氏が国立代々木体育館の設計をした際に大きく影響を受けたと聞いたことがあります。


 
イェール大学ホッケーリンク3


アーチから柱につながるこのライン、本当にきれいですね。私は、設計をするときに直線に拘っているのですが、機会があれば挑戦してみたいと思いました。



イェール大学ホッケーリンク4


屋根を支える柱です。屋根や梁の荷重を2本の柱で支える為、かなり大きな断面ですね。この柱のライン、外部のキャンティ・レバー(片側だけが固定されている片持ち式構造)の梁のライン、きれいですね。思わずなでなでしてしまいました。



イェール大学ホッケーリンク5


ご覧のように柱からキャンティ・レバーで跳ね出させて庇のようなものを出しています。アーチの下降線とのバランスの取り方は本当に感動しました!!

イェール大学は1回でお伝えしきれないので、数回に分けてお伝えしたいと思います。

仕事

T邸新築工事 地鎮祭

宮古島の地鎮祭1
宮古島の地鎮祭2


2月13日の16:00、T邸新築工事地鎮祭が執り行われました。

前日までは、魚が気絶して浮くほど寒くて風も強い日が続いていたので心配していましたが、当日は風こそ強いものの天気は良く、暖かい中での地鎮祭となりました。

地鎮祭を執り行って頂く方は初めての方でした。今まで経験した地鎮祭は、玉串奉納等は建主様・設計・業者さんの順番で行ったのですが、今回は設計・業者さん・建主様といった順番だったので、少し戸惑いました。

お話をいただいたので2014年の年末。建主様のご都合での中断、建設工事費の高騰等、様々な懸案事項を乗り越えてようやく着工することができ、感無量です。

地鎮祭でお祝いの席を設けるのは珍しいのですが、始まりました。久しぶりのオトーリです。T家の繁栄、無事故・無災害での工事竣工を祈願してオトーリを廻させて頂きました。



宮古島の地鎮祭3


これから半年間掛けてT家を建設していきますが、無事故・無災害で竣工できるように、集中して行きましょう!!

ブログで紹介していきますので、乞うご期待! 

建物


ニューヨーク2日目の朝は8:30分出発とのことで、時間があったので少し早起きしてニューヨークの街へ!



ニューヨーク1


ミース・ファン・デル・ローエのシーグラムビルです。ファンズワース邸とは、うってかわってフレームはマットブラックの塗装を施され、全面トパーズグレイのガラス張りです。これは!感動する位カッコよい!



ニューヨーク2


当時は経済性重視の時代にもかかわらず、写真でもお判りのとおり、ミースは敷地の前面にゆったりとした広場を設けました。この贅沢な空間により、前面道路の斜線制限(通風や採光等を確保し、環境を保つことが目的の制限)をクリアするとともに、この建物の潔い箱状のファサードを確立しています。
この広場は都市における建築の在り方に影響を与え、ニューヨークの条例が改正されたそうです。この広場にはベンチと2つの大きな噴水があり、市民の憩いの場になっていました。(時間が早かったので、まだ噴水は稼働していませんね。)



ニューヨーク3


こちらは、フィリップ・ジョンソンのリップスティックビルです。楕円形の建物は、斜線制限の影響を受けて上に行くほどセットバックして平面が小さくなっています。かなり強烈な艶?テカリ?ですね。
・・・ニューヨークでも、やはり私はミースの方が好みでした。



ニューヨーク4


フィリップ・ジョンソンの旧AT&Tビル(現在はソニービル)です。写真ではわかり難いのですが、エントランスの壮大なアーチは約7階分の高さがあります。こちらも少ししか見えませんが、最上部の高級家具の様な装飾は、完成当初から議論の的になったそうで、個人的には・・??・・といったところです。



ニューヨーク5


フィリップ・ジョンソンのニューヨーク近代美術館のゲストハウスです。フィリップ・ジョンソンの得意な、黒く塗装された鉄骨とガラスで構成されています。そこに、レンガの壁と木製の扉を配することによって、冷たさを感じさせないファサードになっていますね。ニューヨークといえば高層ビルといったイメージですが、このような建物があることに驚きました。この建物は好みですね。



ニューヨーク6


ニューヨークの街並みです。右の建物・・・かなり細いですね。地震の時はどんな感じなのでしょうか。



ニューヨーク7


さすが、ニューヨーク!紹介しきれないほどたくさんの個性的な建物がありました。



ニューヨーク8


写真正面突き当りに見えるのが、ヴァルター・グロピウスのMetLife(テレビのCMでもお馴染みの保険会社)ビルです。元々はPAN AM(パンアメリカン航空)ビルでした。私が子供の頃はアメリカの象徴の様なビル。実際に目の前にして、感無量です。



ニューヨーク9


ニューヨークの街は通りが碁盤の目(ブロードウェイを除く)になっているので、遠くまで見通すことができます。奥行きがありますね。このスケール感は、あまり日本では見かけることがありません。



ニューヨーク10


ペイリーパーク、わずか13メートルx30メートルの小さな公園です。正面の壁は水が流れ落ち都会の喧騒をかき消してくれます。公園内には17本のニセアカシアの木が植えられていて、太陽の光を優しく防いでくれます。両側の壁にはツタを絡ませて、レンガの壁の存在感を少なくする演出が施されています。9時開園なので、滝も流れていなかったのですが、大変居心地の良い空間でした。やはり大人気の公園で、開園している時間は常に人がいるそうです。



ニューヨーク10


ニューヨークの夜。レイモンド・フッド設計のロックフェラーセンターです。ロックフェラーセンターは22エーカー(約89,000平方メートル)。わかりやすく言うと東京ドーム1.9個分の面積だそうです。その敷地内に大小19の建物があり、上の写真は一番高い建物です。12月のクリスマスツリーが有名ですね。是非見たかったのですが、まだ少し早かったみたいです。アイススケートリンクは営業を開始していました。


建物


グランドゼロ。ニューヨークで訪れたかった場所のひとつです。アメリカ同時多発テロの爆心地。2001年9月11日現地時間午前8時46分に全世界に衝撃が走ったことを鮮明に覚えています。



アメリカ名建築の旅1


写真は、復興予定の地図です。数棟のタワー建築と国立博物館・記念碑と二つの鎮魂の池等が計画されているようです。タワーは、1~4と7だけが地図に記載されています。地図に無いタワー5については、計画はあるようですが、頓挫している模様。タワー6の計画は明らかになっていないそうで、完全な復興はまだ先のようですね…



アメリカ名建築の旅2


写真中央の建物がタワー1。作者はSOM(設計事務所名)のデイヴィッド・チャイルズです。2014年11月3日に竣工しています。その右手の建物がタワー7。作者は同じくデイヴィッド・チャイルズです。2006年5月23日に竣工しています。右手の方が、タワー2の建設予定地のようですが、まだ影も形もありません。設計者はノーマン・フォスターで、2021年に竣工予定とあります。



アメリカ名建築の旅3


一番左の建物がタワー3です。作者はリチャード・ロジャースです。こちらは2018年に竣工予定。

その隣が日本の槇 文彦の作品、タワー4です。2013年11月13日に竣工しました。



アメリカ名建築の旅4


ひと際目立つ建物は、地図でOCULUSと記されている建物で、作者はサンティアゴ・カラトヴァです。一見、深海に生息する海洋生物の様ですね。



アメリカ名建築の旅5


中に入ると、地下鉄のターミナルになっていました。荘厳な雰囲気と、近未来感が調和する建物です。



アメリカ名建築の旅6


鎮魂の池です。ワールド・トレード・センターと同じように北と南の2か所あります。滝を四方に廻して、中央の一段下がった所にもう一度四方に滝を廻しています。夜に行ったので、黒い池がさらに暗さを増し、周囲に神聖な雰囲気を醸し出していました。



アメリカ名建築の旅7


滝の周囲には手すりがあり、手すりの天板をくりぬいて犠牲になった2,749人の名前が刻まれています。争い事のない世の中になることを祈り、犠牲となった方達を思い、1時間ほどその場に居ました。

建物

グッゲンハイム美術館1


ライズリー邸の感動を胸にニューヨークへ戻ってきました。時間もあるので、直接ホテルに戻らずにソロモン・R.グッゲンハイム美術館へ寄り道です。

ライトは72年間もの間、建築家として活躍しましたが、最後の16年間で500近くのプロジェクトをデザインしています(!)。そして、その数は生涯デザインしてきたプロジェクトの約半数だそうです。驚くべきエネルギーですね。

このグッケンハイム美術館は、最後の16年間にデザインされた建物です。落水荘と並んで、ライトの最も有名な建物と言っても過言ではありません。

巻貝を逆に立てたような象徴的なファサード部分は、展示スペースになっています。

訪れた人は、エレベータに乗って最上階に行き、中心の吹き抜けを螺旋状に縁取るスロープ上の展示スペースを楽しみながら降りてくるといった導線計画です。

水平方向の空間の流れに垂直方向の流れが追加されているということで、非常に興味深いです。



グッゲンハイム美術館2
グッゲンハイム美術館3



写真は吹き抜けを見下ろしています。手すりが日本と比べるとかなり低いので(落水荘でも同じように感じました)、結構スリリングです。



グッゲンハイム美術館4


上の写真は、吹抜けの反対方向を見ています。面白い空間ですね。



グッゲンハイム美術館5


下まで降りてきて、吹抜けを見上げると、美しいドームを見ることができます。円形のスロープで有名なグッゲンハイム美術館の階段はどのようになっているか?気になっていたので探してみると・・・



グッゲンハイム美術館6


階段は3角形をしていました。新たな発見をして少し嬉しい気分です。



建物

フランク・ロイド・ライトのコミュニティ1


フィリップ・ジョンソンの住宅は広大すぎて、建物すべての見学はできませんでした。名残惜しい気持ちを抑えて、ツアーは一路フランク・ロイド・ライトのコミュニティへ。

最初に訪れたのはライズリー邸です。

ライズリー邸は、ライト80代になってからの作品です。当時20代のライズリー夫妻と80代のライト。約60歳の年の差を乗り越えて完成したということですね。

ライトが設計したこのコミュニティの敷地内には48の住宅があり、半数以上はライト若しくはライトの弟子が設計した住宅だそうですが、その中でもひと際美しい建物が、このライズリー邸です。

建物は、敷地内や近くの石切り場から集められた花崗岩と杉で作られており、石の形を変えずにそのまま積んだ壁が地面の延長のように見える演出が施されています。



フランク・ロイド・ライトのコミュニティ2
フランク・ロイド・ライトのコミュニティ3


テラスに出て建物を見ると、庇と地面との高さが絶妙で本当に美しいバランスでした。



フランク・ロイド・ライトのコミュニティ4


リビングでくつろがれている左の人物が、ライズリーさんです。



フランク・ロイド・ライトのコミュニティ5


建物内部を見るとよくわかるのですが、120cmの正三角形を一つのモジュールとし、建物はその集合体というコンセプトです。リビングも三角形を集合させた六角形になっています。



フランク・ロイド・ライトのコミュニティ7


寝室の壁の隅は正三角形の60度になっていますね。



フランク・ロイド・ライトのコミュニティ6


出窓の上にある小さな写真は、生前のフランクロイドライトの写真です。まさにこの場所で撮影したそうです!

私もライトの真似をして同じツアーメンバーに写真を撮っていただいたのですが、どなたか失念してしまいました。このブログをご覧になっていましたら、是非メールにてお送り下さい。よろしくお願いします。



フランク・ロイド・ライトのコミュニティ8
フランク・ロイド・ライトのコミュニティ9


色々なところに三角形があります。照明廻りや、外構の花壇にもありました。こだわっていますね!



フランク・ロイド・ライトのコミュニティ10


コミュニティーを更に奥へ進むと、ここにもライトの作品が。
ライズリー邸は三角でしたが、この建物は円形をモチーフにしているようです。

様々な建物を周り、ライトの建物に対する情熱を肌で感じることができて、感激で言葉もありません。

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