建物
アメリカ東海岸の名作建築を訪ねる旅 Vol.5
続いてはエシェリック邸です。
ファサードは、中心の玄関ポーチから2階まで通した窪みが建物軸線として建物を二分しています。この軸線は家の裏側まで貫通しており、内部的には階段と廊下が配置されています。さらに、この軸線の向かって右側は吹抜けのリビング、向かって左側1階はダイニングキッチン、2階は寝室と水廻が配置されるという、ゾーンニングにも重要な役割も果たしています。
このように、外部のファサードと内部のゾーンニングが一体となった見事な計画でした。
反対側から見ると、写真のようにFIX窓はガラスの壁と位置づけ、ガラスのサイドの板戸を開閉して通風を確保します。このような窓の考え方も新鮮で、非常に参考になりますね。
内部はとても気持ちのよい空間です。が、フィッシャー邸同様、現在も住宅として使用されている為内部の撮影は制限されており、写真が無いのが残念です。
3枚目の写真でおわかりのとおり、リビングの窓の前には敢えて暖炉の煙突を配置しています。これを内部から見ると、移動するたびに窓から見える風景が劇的に変化するといった感動的な演出となっています。
窓の前には何も作らないといった固定観念を捨てた大胆なアイデアですね。参考になります。
このエシェリック邸でも五感でルイス・カーンを感じることができ、またまたカーンにのめり込んでしまいました。